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新型インフルエンザ(その2) [保健&トピックス]

世界保健機関(WHO) は現地時間4月29日緊急委員会を開催し
新型インフルエンザ(豚由来A型H1N1)の警報フェーズを「4」から
世界的大流行(パンデミック)一歩手前の「5」に引き上げ、現在「6」に
引き上げるかどうか世界の状況を見守っているところです。
(警報フェーズ表については「その1」ご参照)


米国疾病予防対策センター(CDC)が南カリフォルニアで発症した患者から
ウイルスを取り出し、遺伝子を解析した結果以下が判明した経緯があります。。。

①遺伝子の多くが北米の豚にみられるH1N1豚インフルエンザウイルスと一致する。
②ヨーロッパ、アジアの豚に感染しているH1N1のそれぞれ二つの遺伝子を持っている。
③鳥インフルエンザの遺伝子も持っており、更に
④人インフルエンザの遺伝子も持っている。

以上の通りこのウイルスは計4種類の遺伝子が新たに組み込まれている、
「四重組み換え」遺伝子を持っており、更に人から人に感染する
「新しいインフルエンザ(豚由来H1N1)」であることが判明し、
CDC は正式名称を ”2009 H1N1 flu" としています。

米国のマスコミは本日現在でも「豚インフル」を意味する
”Swine flu"として報道を続けていますが、
時々H1N1を括弧書きしているケースも見受けられます。

世界保健機関(WHO)ではこのA型インフルの正式名称を ”influenza A(H1N1) ”
としていますが便宜上"Swine flu"の呼称も残しています。
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日本の国立感染症研究所は今回のインフルエンザウイルスが
人から人へ継続的に感染する新しいウイルスによる「新型インフルエンザ」
であると判定し、「新型インフルエンザ(豚由来インフルエンザA/H1N1)」を
正式名称としています。



日本の法規では、「新型インフルエンザとは動物のインフルエンザウイルスが
ヒトの体内で増えることができるように変化し、継続的にヒトからヒトへの感染が
みられるようになったもので、このウイルスが感染して起こる疾患が
新型インフルエンザである。」と規定しています。

今回の豚由来のインフルエンザH1N1は
「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に
規定されている「新型インフルエンザ」に位置づけられ、これに伴い
正式名称が決定したわけです。

以上の通り各国の保健機関或いはマスコミによって多少名称は異なりますが
いずれにせよ「豚由来の新型インフルエンザ」であることに変わりはなく、
どの保健機関も今回のA型H1N1の特徴として次の点を指摘しています;

①感染性は高い(強い)が
②弱毒性である。
③但し、いつなんどきウィルスが例えば豚或いは他の動物の細胞内で変異し
  強毒性となるかわからない。
④季節性インフルエンザと異なり、年少者が罹患しており、60歳以上の年齢層の
  罹患率が極めて低い。この年齢層には免疫力があるのではないかと思われる。

今回は弱毒性のまま沈静化したとしても1818年から1819年にかけて大流行し、
多数の死者を出したスペイン風邪(インフルエンザ)のごとく弱毒性から
ビルレンス(毒力)の高い(強い)ウイルスに変異し、例えば本年秋から
冬にかけて猛威を振るう恐れもあります。

因みに高病原性トリインフルエンザ(H5N1)は強毒性ですが人から人へ感染
するウイルスには変異していません。しかし、豚やアヒルその他の動物の細胞
に入り込み人から人へと感染するウイルスに変異する可能性は常にあるわけです。
従い、常時インフルエンザ感染防止策をとることが肝要です。

WHO が発表している世界の感染状況(5月6日現在):
感染が確認された国 21カ国・地域、感染者数 1490人

感染者数 
822人:メキシコ(うち死亡29人)............... 9人:ドイツ   
403人:米国(うち死亡1人).....................6人:ニュージーランド
140人:カナダ....................................5人:イタリア
 57人:スペイン..................................4人:イスラエル、フランス               
27人:英国.......................................2人:エルサルバドル、韓国
...................................................1人:オーストリア、オランダ、スイス、香港、デンマーク、コスタリカ、
.........................................................アイルランド、コロンビア、ポルトガル


現地政府が発表している国
  1人:グアテマラ(グアテマラ保健省発表)

また、5月6日現在、感染疑いがある国は以下の通り(報道含む。17ヶ国)です。
インド、オーストラリア、スウェーデン、チェコ、ノルウェー、ルーマニア、ロシア、アルゼンチン、チリ、
トリニダード・トバゴ、ニカラグア、ブラジル、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ベナン

感染防止策:
下記の点に留意し、感染防止に努めることが肝要です;

(1)不要不急の感染確認国への渡航は控える。
(2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
(3)積極的に手洗いやうがいを行う。
(4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。
(5)偏食を避け栄養を摂り、十分な睡眠休息を取ることにより、免疫力を高め感染し難い健康状態を保つ。
(6)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、早急に医療機関を受診する。

海外における入国時の健康チェック:
現在、多くの国においては、入国時の健康チェック(体温確認等)が
行われています。その際、発熱、インフルエンザの症状が疑われた場合には、
新型インフルエンザ感染の確認等のため、一定期間停留を求められる場合が
あります。

日本帰国時の健康チェック:
日本は、検疫体制を強化しており、厚生労働省が定める新型インフルエンザが
蔓延している国・地域(5月3日現在、メキシコ、米国、カナダ)からの入国者に対し、
機内検疫が実施されている。インフルエンザ様症状がある場合には検査が行われ、
必要に応じ、隔離、停留又は保健所の健康監視下等におかれる場合があります。
なお、帰国時に高熱、咳症状がみられる場合には検疫所の健康相談室に
申し出る必要があります。(帰宅後に同様の症状が現れた場合には、最寄りの
保健所に相談し、感染地域に渡航していた旨を知らせる必要がある。)

関連ホームページ:

○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/       
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/ (英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/ (英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/buta.html

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コメント 3

うめママ

感染の拡大を防ぎたいものですね。
「豚インフル」の名に関して、養豚が盛んな国では、豚のイメージが
損なわれるので、報道の際、名称から「豚」を外すよう配慮している国もあるようですね。

by うめママ (2009-05-09 09:15) 

アマデウス

うめママさん!こんにちは~☆
宗教上の理由から(豚を不浄の動物として食さない)豚インフルとはせず
メキシコインフルにせよとか北米インフルと命名せよとか
いろいろあった様ですが。。。いずれにせよ感染の拡大を
防ぎたいものですね!

by アマデウス (2009-05-09 12:28) 

ヴィトン 公式

今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^
by ヴィトン 公式 (2013-06-28 20:20) 

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