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南米の蘭と世界らん展 [植物・花]

世界らん展日本大賞」が2月13日から2月21日まで東京ドームで開催されます。
1991年に第一回が開催され、参加28か国、入場者数410,900人を集め、その後継続的に
毎年開催され、本年2010年は20回目の世界らん展です。

2009年までの19回の世界らん展で、南米原産の蘭は6度日本大賞を受賞していますから、
約1/3強を占めたことになります。(受賞者名:敬称略)

では、受賞した南米原産の蘭を年代順に見てみましょう。
1999年から2001年まで3年連続して受賞しています。

又、拙記事「南米の野生蘭(その2)」でとりあげた
マスデバリアが2度大賞を受賞しています。



①第6回(1996年)
日本大賞受賞花:Blc.ChiaLin ‘Shin Shyn’ チアリン ‘シンシ’           
日本大賞受賞者:建安蘭園 黄 緯薫 (台湾)
注:カトレアと近縁の属フラッサボラとレリアの三属間人工交配種
   Blc.はBrassolaeliocattleyaの略
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②第9回(1999年)
日本大賞受賞花:Lyc.Shoalhaven ‘Kyoto’ ショールヘブン ‘キョウト’
日本大賞受賞者:五島園芸 五島 正 (京都府)
注:リカステの品種改良種
  Lyc.はLycasteの略
resize0045.jpg



③第10回(2000年)
日本大賞受賞花:Masd.coccinea ‘Mark Daniel’ マステバリア コクシネア ‘マーク ダニエル’
日本大賞受賞者:上田 公生 (埼玉県)
注:マスデバリアの品種改良種
  Masd.はMasdevalliaの略
resize0041.jpg



④第11回(2001年)
日本大賞受賞花:Lyc. Skinneri ‘Mt.Oku iou’ リカステ スキンネリ ‘マウント オク イオウ’
日本大賞受賞者:指江 正敏 (石川県)
注:リカステの品種改良種
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⑤第16回(2006年)
本大賞受賞花:Masd. Tuakau Candy ‘Lovely’ マスデバリア ツアカウ キャンディー ‘ラブリー’
日本大賞受賞者:藩 世英 (宮城県)
注:マスデバリアの品種改良種
resize0043.jpg



⑥第19回(2009年)
日本大賞受賞花:Lyc. Shoalhaven ‘Yoko's Delight’ リカステ ショールヘブン ‘ヨウコズ デライト’
日本大賞受賞者:斉藤 正博 (茨城県)
注:リカステの品種改良種
resize0044.jpg





それでは、この蘭を出展すれば日本大賞まず間違いなしと「密かに踏んでいる」
アシネタという属で花茎がバルブの基から下にぶら下がり(下垂性の花茎)、花を咲かせる
南米の蘭(原種)をご覧下さい。

★密かに踏んでいたのですが、本記事で公開します!


DSC02336.JPG      DSC02335.JPG
                      Acineta beyrodtiana Schltr.
    



最大の問題は世界らん展の時期にあわせてうまくを咲かせることが出来るかという点ですが、
日本で栽培して開花をコントロールするのは難しいと思われるので、現地で数十株の花を咲かせ
それをハンド・キャリーして世界らん展に持ち込むことを検討する必要があると思われます。
尚、画像のアシネタはすべて原種です。



DSC02339.JPG         DSC02340.JPG
Acineta antioquiae Schltr.                    Acineta erythroxantha Rchb.f.




では、最後におまけというわけでもありませんが、南米の高地で出会った野生蘭をご覧下さい。

この蘭は標高2,700米の寒冷地に咲いていたオドントグロッサムの種類です。
IMG_1724.JPGIMG_1722.JPG
                    Odontoglossum sceptrum Rchb.f. & Warsc.





これはオンシジュームの種類で、標高2,000米の
地点で花を咲かせていました。

★オンシジューム属には約400種類もの蘭が含まれています。

DSC02343.JPGDSC02347.JPG
                    Oncidium hastilabium (Lindl.) Garay & Dunsterv.



中南米は蘭の宝庫でまだまだ日本に紹介されていない蘭が沢山あるのですが、
日本の気候に順応させるのが難しく、簡単に家庭で栽培して楽しむというわけには
行かないのが残念です。

2月13日から2月21日まで東京ドームで開催される「世界らん展日本大賞」には、今年も
40万人前後の入場者が「世界の蘭の美の祭典」を楽しまれることでしょう。

今年の「日本大賞はどのような蘭が受賞するのか楽しみです。


関連記事
南米の野生蘭(その1)
南米の野生蘭(その2)



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ゆらゆら

アマデウスさん 始めまして

美しい写真の数々、特に第6回の真っ赤なバラはしばらく見入ってしまいました。  ゆらゆらは以前デンドロを数種育てていましたが、いまは1鉢だけ(笑)

美しいグリーノのオウムサン魅力的ですね!  


by ゆらゆら (2010-01-21 07:49) 

nekotaro

蘭という花はいろんな種類や色があって、
へぇ~、これも蘭なんだ・・・と言うことが良くあります。
蘭と言えば、胡蝶蘭ぐらいしか知らない私にとっては、
つまり、目から鱗が落ちるような記事でした(^^)/
すんごいですねぇ、アマデウスさんって。
by nekotaro (2010-01-21 10:03) 

まっちゃん

蘭の仲間は本当に多彩ですね。
中南米とかの山の中で蘭の花を探して歩いたら楽しそうです。

by まっちゃん (2010-01-21 10:54) 

kontenten

「世界らん展日本大賞」・・・家内は毎年行っているようです(^^)
お花に疎い私は、留守番か会社で仕事です・・・^^;Aアセアセ。
by kontenten (2010-01-21 11:52) 

LittleMy

きれいですね。
心が、なごみます♪
by LittleMy (2010-01-21 13:26) 

Ariel

少し前に胡蝶蘭のキルトをUPしました。
一度、世界らん展へ東京ドームにゆきました。
蘭って、奥が深いですね〜。
きれいなお写真の数々、お勉強になりました。
by Ariel (2010-01-21 17:35) 

whitered

こんにちは。南米の山深い土地に咲く蘭は、神秘的な感じですね。あまり人の手が加わっていない蘭の花が貴重な気がします。テレビでやるときに注目していますね。
by whitered (2010-01-21 19:31) 

アマデウス

ゆらゆらさん!こんにちは~☆
ご訪問頂きコメントありがとうございます☆
デンドロビュームを育てておられるのですね☆
これからも時々お立ち寄り頂けると嬉しいです☆
by アマデウス (2010-01-22 08:01) 

アマデウス

nekotaroさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
すんごいということではなくて単なる「へたの横好き」ですよ☆
by アマデウス (2010-01-22 08:03) 

アマデウス

まっちゃんさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
蘭のあるところに野鳥ありということで「蘭と野鳥撮影の旅」
なんて楽しいでしょうね☆
by アマデウス (2010-01-22 08:05) 

アマデウス

kontentenさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
奥様に「世界らん展」の模様を写真に撮って
kontentenさんのブログにup頂く様に
お願いして下さいな☆
by アマデウス (2010-01-22 08:09) 

アマデウス

LittleMyさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
多数のコンサートでのお疲れを少しでも癒して頂ければ
大変嬉しいです☆
by アマデウス (2010-01-22 08:11) 

アマデウス

Arielさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
胡蝶蘭のキルト拝見しました☆綺麗に作られましたね☆
世界らん展、盛況ですよね☆
by アマデウス (2010-01-22 08:14) 

アマデウス

whiteredさん!こんにちは~☆
野生の蘭には清楚さがありますよね☆
コメントありがとうございます!

by アマデウス (2010-01-22 08:15) 

黄昏の線路

まさに、美の祭典ですね!
本当に美しく、華やか、見事な咲きっぷりですね。
実際に行って拝見したいです♪
by 黄昏の線路 (2010-01-22 23:25) 

アマデウス

黄昏の線路さん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
野生蘭に出会うにはかなり人里離れたところに出かける
必要があります☆インフラが整備されるにつれ野生蘭が
身近なものではなくなってきます☆実際にご覧になれる
機会が早く来ると良いですね☆


by アマデウス (2010-01-23 11:50) 

pegasas

こんにちわ。ラン展には何年か前に行きましたが、世界で一番の
美しい花だと私は思っています。種類も沢山あって私が行った時は
プリンセスミチコやプリンセスマサコをイメージしたランもありました。
ランは華やかなイメージがありますが、可愛くて清楚なランもあって
原種は以外にじみな花なんですね。

by pegasas (2010-01-23 13:48) 

アマデウス

pegasasさん!こんにちは~☆
コメントありがとうございます!
プリンセス・ミチコという名前はランでは純白のカトレア(原産地:中南米)に
命名されていたのでは。。。と思いますが、一般的には
プリンセス名(マサコ、キコ、アイコなど)はシンピジューム属に冠される
ことが多い様ですね☆カトレアはランの女王でさしずめシンピジュームは
ランのプリンセスということなのでしょうか☆
薔薇や菊にもプリンセス名が冠されていますね☆
清楚な原種に惹かれますよね☆

by アマデウス (2010-01-23 21:36) 

モッズパンツ

確か、札幌でも「ほっかいどう世界のらん展」というイベントを行っていたハズなのですが、「いろんな蘭がイパーイ」て、噂には聞いておりました。が、まだ見に行ったことありません。w (^ω^)b
シマウマ模様の蘭、カコイイですね。それにしても、標高2000mといえば、高山植物レベルですよね。凄いですねー。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2010-01-23 22:47) 

アマデウス

モッズパンツさん!こんにちは~☆
「シマウマ模様の蘭」には思わず笑ってしまいました(^m^ )
コメントありがとうございます★\(^-^ )♪ 

by アマデウス (2010-01-24 06:29) 

NO NAME

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