ブラジルのカポエィラ

公園の一角で輪になって「カポエィラ」を行うグループを見かけました～☆
「カポエィラ」は格闘技の様でもありアフリカンダンスの様でもあり、
音楽(ビリンバウと言う弦楽器とタイコと歌）にあわせて行う体操の様でもあります。

1500年にポルトガル人のペードロ・アルヴァレス・カブラルが
ブラジルを「発見」し、その後ブラジルはポルトガルの植民地として
他の南北アメリカ大陸諸国とは異なった歴史を歩むことになりました。

16世紀中頃、サトウキビを中心とした農業を発展させるため、
西アフリカやアンゴラ、モザンビークから黒人奴隷が大量に連行され、
ポルトガル人農場主のファゼンダ（大農園）で酷使されたのです。

奴隷達は時として支配者から理不尽な暴行を受けたり
出身地の異なる奴隷達の間で暴力沙汰に発展する事件も多々あり、
奴隷達は自己防衛の手段としてカポエィラを身につける様になったのです。

また、奴隷同士の喧嘩は見つかったら直ちに喧嘩両成敗で罰せられたので、
喧嘩（決闘）をカモフラージュする為、音楽にあわせたカポエィラがその手段と
なったのです。




カポエィラの語源はブラジルの土着民（インジオ）の大半を占める
トゥピー グァラニー族の言葉から派生しており、奴隷達が大農園を逃げ出し
追手から身を守る為に隠れたのが「CAPOEIRA」と呼ばれる「繁み」だったのです。


支配者達は奴隷達がカポエィラを練習することを禁じましたが、
奴隷達は処刑による死者や手足を切断される者を出しながらも
カポエィラを止めようとはせず密かに練習を行ったのです。



ブラジルはアメリカ大陸では最も遅く、1888年に奴隷制度を廃止しましたが、
依然としてカポエィラは違法とされ公然と練習する事は出来ない状況が続きました。
そして、奴隷制度廃止から半世紀近く後、1932年カポエィラが合法となったのです。

カポエィラの歌の中には昔から伝わる童謡の様な歌詞がたくさんある様です。
カポエィラの動きの中心は円運動です。
攻撃だけでなく、防御にも円運動が取り入れられています。
円の中で組み手は行われ、移動も円を描くように動きあいます。

弓の様な長い楽器がカポエィラの楽器「ビリンバウ」です。
カポエィラの歌、哀愁を帯びていますね～☆

タグ：カポエィラ ブラジル ビリンバウ 南米 中南米 奴隷

コメント 8

カポエラは、昔読んだ少年漫画で
逆立ちして、猛回転しながらキックを繰り出すイメージを
植えつけられてました（笑）
それにしても、変幻自在な動きですね。
by yann (2009-05-22 21:31) 

yannさん！こんにちは～☆
コメントありがとうございます！
武道としてのカポエラはyannさんが読まれた少年漫画の様な激しい動きですが、体操の様に行うカポエラ（初心者のカポエラ？）はゆったりした動きですね。

by アマデウス (2009-05-22 21:54) 

そういえばこれ、先日ミラノの街角でやっている人たちがいました♪
けっこうハードな動きですよね！！
by みど (2009-05-23 06:08) 

みどさん！こんにちは～☆
コメントありがとうございます！
ミラノでもやっていたんですね。日本でもカポエィラ教室が開かれて
いるそうです。上級者のカポエィラはすごくハードな動きですよ～☆
by アマデウス (2009-05-23 07:24) 

カポエィラと言えば格闘技。
それが最初でしたが、
後にテレビでこんな形で文化として残っていると知りました。
音楽のブルーズと同じく、改めて歴史を知ると、
ちょっと複雑な気持ちになりますね。
by nekotaro (2009-05-23 09:21) 

nekotaroさん！こんにちは～☆
コメントありがとうございます！
ブルースの源流となった黒人霊歌の
歴史に触れることは、カポエィラの歴史と
同様、奴隷制度の悲惨な事実に愕然とさせられますが、
理解が深まることは確かですよね～☆

by アマデウス (2009-05-23 12:19) 

カポエィラ、面白いですね。スピード感のある華麗な技に圧倒されますね。
黒人奴隷の歴史から生まれたことを知ると、
また少し違った形に見えてくような気がしますね。
by 黄昏の線路 (2009-05-30 02:49) 

黄昏の線路さん！こんにちは～☆
コメントありがとうございます！
黒人奴隷の歴史をベースとした音楽や
ダンスが多々ありますので歴史に触れると
色々興味深い事実が出てきますね～☆
by アマデウス (2009-05-31 13:36)